機械基盤研究施設では、平成27年の開設以来機械要素の製造、品質に関わる技術に集中して研究開発をすすめています。施設長である久保理事長を中心に、機械材料解析・計測・加工に関する専門家の参加をえて、また趣旨に賛同した企業から最新の計測装置の提供を受け、主に3つの研究開発活動を実施しています。
機械基盤研究施設における3つの研究開発活動
損傷解析、鋼材品質評価等
経産省補助事業「次世代鋼材測定・評価手法開発」(平成29~30年度)に主体的に参画し、世界初の「高速多点硬さ測定装置」の開発を行いました。またその測定データの解析ソフトを作成、それに基づき歯車用機械材料の評価手法をJGMATE規格として定めました。「高速多点硬さ測定装置」を用いて、機械部品の損傷品の原因調査、国産・海外品の鋼材評価等を行い、従来の手法では明らかにできなかった詳細な解析に威力を発揮しています。
民間企業との公募研究開発プロジェクト(rIas_X)
機械要素分野で懸案になっている諸課題に関心のある企業からの研究資金の提供を受けて、課題開発に参加企業と応研が共同で取り組むものです。平成27年度、rIas_X1プロジェクトに7社の参加を得てスタート以来、現在の実施中のrIas_X3プロジェクトで、延べ26社の参加を得て、産業的に課題とされるテーマにつき研究開発が進んでいます。
機械部品の3次元の形状測定・非破壊検査
応研に設置されている計測装置を用いて、機械部品の3次元の形状測定・非破壊検査を実施しています。非接触3次元測定機は、複雑な形状を有する歯車の測定に最適です。またX線CTは、樹脂部品や複合材料の内部構造解析に優れています。またこれらの装置を用いてリバースエンジニアリングも行っています。
損傷解析・鋼材品質評価
本研究所は、高周波焼入れに代表される機械部品用鉄鋼材料の高周波利用改質技術の日本の発祥の地であり、現在でも特別に高度な技術が要求される高周波焼入れ処理や、高品質が要求される特殊なプラズマ窒化処理等を請け負っています。当然 […]