品質調査(確性試験)

品質調査(確性試験)・トラブルシューティング

弊研究所では、金属材料の市場品質について、製品が仕様通りに仕上がっているかを調べる品質調査と、試作を含む新規材料についての詳細な材料評価(鋼材品質評価)、事故品などの損傷に関わる材料調査(損傷解析)を行っています。豊富な経験に基づく各種相談にも対応し、解決策の提示や助言を行います。

品質調査とは

熱処理された機械部品が、指定図面、仕様通りの品質に仕上がっているかどうかを硬さ試験・組織観察を通して確認することです。
顧客様のご要望により化学成分分析(ICP発光分光分析、 EPMA分析、SEM観察、残留応力測定など)も実施いたします。

試験実施項目

硬さ測定

  • 硬さ(ビッカース硬さ HV, ロックウェル硬さ HRC, ショア硬さ HS)の測定を行います。
  • 測定位置、試験力(負荷荷重)、測定間隔等はご相談に応じます。
  • 応用科学研究所独自開発の「超多点自動HV硬さ測定」も可能です。

組織観察

光学顕微鏡、金属顕微鏡により観察試料の鏡面仕上げ後、腐食した断面組織観察を行います。

材料化学成分分析

  • ICP発光分光分析(C, Si, Mn, Cr, Mo, P, S 等の主要元素含有量の分析)、EPMA分析、SEM観察、X線残留応力測定を行います。
  • 必要に応じて、応研内・協力企業にて実施可能です。

調査事例紹介

事例1:高周波加熱焼なまし

調査目的:熱処理前組織が異なる場合の高周波焼入組織の均質化策「高周波加熱焼なましの実施」例

材質S45C
焼入前組織圧延材組織(as Rolled)「粗いフェライト(F)+パーライト(P)」(図1)
対策例高周波焼ならし(常温から140秒で900℃まで加熱し、空冷(徐冷)
⇒「微細なF+P」(図2)⇒同じ熱処理装置でそのまま高周波焼入れも実施
結果高周波加熱焼なましにより高周波焼入組織、硬さのバラツキが減少し、非焼入部硬さが上昇

【不完全焼入事例】

事例2:応研が独自開発した「多点自動硬さ測定装置」の活用例

調査目的:高周波加熱条件(加熱温度・時間)が異なる場合の焼入材の組織と多点硬さ測定結果「TTA線図」例
(TTA線図:Time Temperature Ausutenitization Curve)

材質S40C
焼入前組織圧延材組織(as Rolled)「粗いF+P」
対策例昇温時間5秒で誘導加熱し、各温度・時間で保持後の高周波焼入材の組織と硬さを観察測定
結果加熱温度が高くなり、時間が長くなると均質性が向上し、炉加熱焼入材と同等

井戸原修*、魏嵐*、三阪佳孝*、川嵜一博**、長江正寛**、久保愛三**:「多点自動硬さ測定装置を用いたS40C高周波焼入材の新TTA線図,日本熱処理技術協会 第86回秋季講演大会発表, (2018/12/14) *ネツレン、**応用科学研究所 

品質調査(確性試験)受注実績

  • 島津産機システムズ(株)
  • 川崎重工業(株)
  • 村田機械(株)
  • ダンフォス(株)
  • (株)阪村機械製作所
  • その他数10社

品質調査(確性試験)の必要な方はお気軽にご相談ください。