[Ⅰ]材料研究部(久保常務理事)
(1)材料評価・開発研究室(長江室長)
鉄鋼材料の品質・評価業務、金属材料の特性解析研究、
耐超高温材料開発、超高速侵炭技術開発の研究
(2)表面改質研究室(松岡理事)
熱処理に関する実用研究、
高周波誘導過熱による微細結晶化と焼入れ、プラズマ窒化後の高周波焼入れに関する研究
[Ⅱ]機械基盤研究施設(久保常務理事)
機械加工面の高性能化、非推力歯車の開発等、鉄鋼品質の評価法の研究(公募研究も行う)
(1) 浸炭焼入れされた鋼製機械部品の作動面をミリング加工で仕上げた場合、ミリング後
浸炭焼入れされた同じ表面粗さの面より耐久力が落ちることが経験されている。なぜ
そのような現象が起こるのかの機構を究明し、そのようなことの起こらない加工法を
開発する。
(2) はすば歯車は平歯車に比して静粛な運転が可能であるが軸推力が発生するため、軸
受の負担が大きく、歯車装置が大形になる。本研究では軸推力が発生せず静粛な
運転が可能な平行軸歯車並びに直交軸歯車を開発する。
(3) 規格鋼種名とミルシートだけでは機械部品用鋼の品質が確定できない最近の事情を
鑑み、鋼の品質を現物からのTPの簡易検査で判断できる評価方法を開発する。
なお、現在一般公募研究として「歯面性状向上法とエッジ非接触歯加工法の開発」を実施
中である
[Ⅲ]加工研究部(松岡理事・内山主事)
(1)加工科(高周波焼入れ焼戻し加工、プラズマ窒化処理)
(2)品質管理科(高周波焼入れ焼戻し、プラズマ窒化処理品の検査)
[Ⅳ]特別研究員
長村研究室(長村理事)
超電導材料の機能最適化と超電導応用機器の開発研究
松浦研究室(松浦 裕)
永久磁石の微細組織とその局所磁気特性の解析による高保磁力化の指針構築
[Ⅴ]招聘研究員
[Ⅵ]共同研究員(大学等の研究者による研究)
これらのうち特別研究員を含む所内の研究員については、研究資金の観点からは下記の基盤
研究、第1種研究、第3種研究になります。また本研究所の共同研究員が行う研究に関しては
下記の第2種研究が該当します。
①基盤研究 | 本研究所専任の研究者が研究所の資金で独自に行う研究 |
②第1種研究 | 本研究所所属の研究者が企業・個人からの研究費、寄付に基づいて行う研究 |
③第2種研究 | 本研究所が委託した共同研究員 (大学等の研究者)により、企業・個人からの研究費、寄付に基づいて行う研究 |
④第3種研究 | 公的機関からの助成金によって行う研究(日本学術振興会科学研究費補助金、NEDOなどの独立行政法人からの委託研究費など) |
これらの研究成果は、委託を受けた研究であっても、原則として学術誌に論文として発表され、
また専門分野の学会で口頭発表されています。
課題によっては成果の発表までには複数年かかる研究もあり、また特許取得等の目的で、発表
が複数年遅らされる場合もあります。
なお、近年のグローバリゼーションで生産拠点が国外に流出し、日本の技術の空洞化が深刻な
問題となっているという意識があります。
この現状を鑑み、当研究所では鉄に関わる機械産業が日々抱えている問題を解決し、基盤機械
技術の維持向上に関わり、基盤技術と先端技術のバランスとして初めて存在しうる日本の産業
技術を発展させる手助けとなる研究に注力しています。
平成26年度には、この方向の事業を更にダイナミックに進めるべく機械基盤研究施設を設置し、
平成27年度9月から具体的にスタートしています。